ビットコイン・ポリシー・インスティテュート、"休眠ビットコイン"訴訟に介入申立て NYで39,069アドレス巡り

AI マーケットサマリー
Bitcoin Policy Instituteは、39,069件の休眠ビットコインアドレスの所有権を求めるニューヨークの訴訟に介入する動きを見せ、原告の"放棄財産"理論は法的にも技術的にも欠陥があると主張した。原告側に有利な判断が出れば、長期保有され非アクティブなコインを放棄とみなすことで、自己管理(セルフカストディ)の財産権に対する認識を弱める可能性がある。直ちにオンチェーン上のコントロールが及ぶ可能性は低いものの、この訴訟は休眠BTCを巡る規制面および法的なテールリスクを提起している。
影響度
● 中
影響を受ける資産
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● 中立
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ビットコイン・ポリシー・インスティテュート(BPI)は、ニューヨークで進行中の訴訟に被告側として参加するため、介入を求める申立書を提出した。匿名の原告らは、"放棄された"とされるビットコインのウォレット39,069件について所有権の取得を求めており、BPIは主張が法的にも技術的にも成り立たないと反論する。判断次第では、長期保有のため意図的に資産を動かさない保有者を含むビットコイン保有者の財産権を揺るがしかねないと警告した。 問題の訴訟は2026年3月、"Noah Doe"(ノア・ドウ)を名乗る仮名の人物が提起。権利を譲り受けたとしてワイオミング州の2つの法人も原告に名を連ね、39,069の休眠アドレスの支配を裁判所に求めている。訴状によれば、対象アドレスには約370万BTCが保管され、現行の市場価格で約2,370億ドル相当と算定。サトシ・ナカモトに関連するとされるウォレットも含まれるという。 原告側は、ニューヨーク州法の遺失物・放棄財産の枠組みに当てはめ、"発見者"として所有権を取得できると主張する。独自アルゴリズムで休眠アドレスを特定し、USBドライブでニューヨーク市警(NYPD)にリストを提出したほか、対象アドレスに対してオンチェーンでOP_RETURN通知も送付したとしている。 これに対しBPIは提出書面で、訴えの前提がビットコインの仕組みと財産法の双方に関する誤解に基づくと指摘。長期間動かないことは放棄の証拠にはならず、多くの保有者は意図的に自己管理(セルフカストディ)で長期保有するため、非活動性を放棄と結びつけるのは不適切だとした。 さらにBPIは、ウォレットアドレスは公開情報であり法的な意味で"発見"の対象になりにくいこと、アドレスの可視性と当該BTCの所有権は別概念であることを強調。ニューヨーク州の遺失物法制は主として物理的な財物を想定しており、デジタル資産への機械的な適用は困難だと主張した。原告勝訴となれば、保有者が定期的な移動を強いられたり、カストディ事業者への依存が高まったりしてセルフカストディが萎縮する恐れがあるとも訴えている。 ギャラクシー・デジタルの全社リサーチ責任者アレックス・ソーン氏も最近のレポートで訴訟の問題点を指摘。被告側アドレスのほぼ全てが2025年のダスティング(dusting)キャンペーンと重なり、別の訴訟でクレイグ・ライト氏が所有を主張していたウォレットとも重複していると述べた。ライト氏はビットコインの発明者を名乗ってきたオーストラリア人コンピュータ科学者で、2024年後半には、そうした主張やビットコイン関連の知的財産訴訟を判決後も継続したとして英国の裁判所から法廷侮辱罪の判断を受けた。12カ月の禁錮刑を言い渡されたが、2年間の執行猶予付きだった。 ソーン氏によると、本件訴状には、評価額の不正確さ、盗難資金やバーン(焼却)用ウォレットに結びつくアドレスの混在、実在性が疑われる送達担当者(process server)の存在、法人原告の匿名性の妥当性など、法的・事実面で大きな弱点がある。仮に原告が勝ったとしても、得られるのは所有権に関する裁判所の宣言にとどまり、ビットコイン自体を直接コントロールできるわけではないため、実務上の利益は限定的だとも指摘。コインが将来動いた場合に取引所への働きかけ材料になる程度にとどまる可能性があるとしている。