韓国POSCOインターナショナル、貿易債権のトークン化をブロックチェーンで実証

AI マーケットサマリー
POSCO InternationalとLG CNSは、シミュレーションではなく実際の国境をまたぐ子会社間取引を用い、Injective上でトークン化された貿易売掛債権を試験運用している。生産環境へ拡大されれば、このモデルは、コンプライアンス規則を組み込んだ共有台帳に売掛債権を載せることで、貿易金融における照合および決済サイクルを短縮し得る。このテストは、オンチェーンの現実資産(RWA)ワークフローに制度面の検証を加えるとともに、韓国企業によるブロックチェーン・レールの採用拡大を浮き彫りにしている。
影響度
● 普通
影響を受ける資産
INJ/USDT-2.69%
AI インサイト · INJ/USDTAI インサイト
▲ 強気
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韓国最大の商社POSCOインターナショナルは、海外子会社間を含む商取引の支払いを迅速化する狙いで、貿易債権をブロックチェーン上でトークン化する実証実験を開始した。鉄鋼、エネルギー、電池素材などを手がけ、昨年の売上高が222億ドルだった同社は、LGグループのIT子会社LG CNSと組み、レイヤー1ブロックチェーン「Injective(INJ)$ 4.9980」で債権の発行、移転、決済を行う。両社がCoinDesk向け説明会で明らかにした。 今回のパイロットでは、模擬取引ではなく、POSCOの海外拠点と取引先の間で実際に発生した債権を対象とする。貿易債権は、商品出荷後に代金を受け取るまでの間に企業が回収すべき金銭債権で、現状は買い手・売り手・銀行が別々に管理するケースが多い。照合に数日を要し、資金化まで時間がかかることもある。 両社によれば、債権を共通台帳に載せることで単一の記録として管理でき、移転・決済を一体化できる。資産そのものにコンプライアンス上のルールを付与できる点も特徴だ。POSCOインターナショナルの担当者は「実取引データとプロセスに基づき、AIとブロックチェーン技術の適用可能性を検証できた点で意義が大きい」と述べた。同社は、今年後半にパイロットを完了した後、本番環境での運用に拡大する方針という。 足元では、投資信託や株式のトークン化が市場の注目を集めている。BlackRock、Franklin Templeton、Apollo、Fidelity、Janus Henderson、Mubadala Capitalなどの資産運用会社は、発行・決済・担保管理の効率化を見込み、ファンドのオンチェーン化を進めている。トークン化資産の市場規模は過去数年で急拡大し、現在は350億ドル。Citiは2030年に5.5兆ドルへ拡大する可能性があると推計する。 貿易金融も有望分野の一つとされる。債権は企業間の実需に基づく債務であり、ブロックチェーンを通じて運転資金の回転を高められるほか、銀行や資金提供者が同一の資産情報を共有しやすくなる。 韓国は企業によるブロックチェーン活用が活発な市場でもある。今月上旬には自動車メーカーのHyundaiが、米国とメキシコ拠点間の社内資金移動でステーブルコインの利用を開始。ステーブルコイン発行企業Circleも、Kakao GroupおよびToss Bankと組み、ステーブルコイン決済インフラの検討を進めている。Injectiveでの今回の実証により、POSCOとLG CNSはこの流れを国際貿易金融へ広げる。 LG CNSは、韓国銀行(Bank of Korea)のCBDC(中央銀行デジタル通貨)パイロットに参画した実績を持ち、KOSCOMおよびMirae Asset Securities向けにトークン化プラットフォームも運営している。